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日常/感想/二次創作小説※重要。小説へはカテゴリーの一覧から飛んでください。取扱CPはDRRR:臨静臨/APH:東西&味覚音痴/異説:78中心天気組/黒バス:赤降赤/VGユニット:騎士団航空海軍他。DRRRは情報屋左推奨中。TV小説漫画DVD所有。APHは東西LOVE独語専攻中。漫画全巻CD原作柄所持TV二期迄。異説はもう天気組愛。原作は7のみ。コンピ把握。81012は動画攻略wiki勉強。究極本厨。赤降気味でリバOK。VG擬人化フレイム・サンダー辺りとか。コメント・誤字指摘歓迎します!!転載とかはご遠慮願います。
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No.182
2012/06/27 (Wed) 17:36:54

三和くん店員妄想とレン様を出した買っただけですはい。

 かつてないほどの人気、広がりを見せたカードゲーム・ヴァンガードは今や立派な職業である。しかしながら、カードだけで生活していけるのは一部のごく限られたファイターたちだけである。狭き門をくぐり抜け、数々の大会で好成績を納めなければスポンサーは付かないし、稼ぐこともできない。彼らの収入源は優勝賞金とスポンサーの援助なのだから。最近ではファイター養成学校まででき始めているものだから、いよいよ厳しさを増していく世界である。
 当然、その人口はカードショップにも影響を与えている。後江にある「カードキャピタル」は現在もなお、新田新右ェ門が店長を務めており、小規模な営業を続けるスタイルをとっている。と言っても、先導アイチを始め、櫂トシキ、葛城カムイ、戸倉ミサキと、現在活躍する有名ファイターがかつて所属した「チームQ4」の本拠地ともあって、現在では毎日大勢のファイターたちが訪れるぐらいの活気を見せるようになっていった。
 六年前に撮った集合写真は、現在店内に飾られていた。その下にある彼らの分身ともいえるカードたちには全て直筆でサインが入っていた。明らかに書きなれている櫂やカムイ、軽く崩した字を書くミサキ、そして完全に署名と言えるサインを書くアイチ。見ていても個性が出ていて楽しい。今でもその時のことを思い出せる。
 
 お前、密かに練習してたな?
   ……煩い。
  これが俺様のサイン第一号!
 これでいい?
    アイチ、これは署名だよ。
   だって、サインなんて書いたことないし……
 じゃあ、ここに飾っておきましょう。
 
 カードショップではあるが、これらを見に来る客も少なくないので、毎日ガラスを磨くことは欠かせなかった。三和は柔らかいタオルでガラスに残された指紋を拭き取っていった。
 ミサキがプロになったことで、店長一人で切り盛りすることになったのだが、客の増加に疑う余地はなかった。ふらりと立ち寄った際、疲労の色がにじむ店長を見て、「良かったら俺手伝いますよ」と声をかけた。
 しばらくは受付と店内の掃除、初心者に対するルール説明など買って出たが、いよいよ首が回らなくなってきた。時折連絡もなしにQ4の面々が来るものだから、そうなったときはこの上なく大変だった。特にアイチと櫂が同時に来店した時が一番苦労した。ミサキやカムイは自分で何とかで来るスキルがある。しかしこの二人には何とかするスキルが高度すぎた。ここぞとばかりにサインを求める客たちにアイチは苦笑しながらも書いてやるのだが、櫂は全く無視。心中は嬉しいだろうに、と三和は店内に敷いたバリケードという名の整列ロープを看ながら様子を窺った。
 その数日後、事情を聴きつけたのか、エミが三和と同様のことを店長に申し出た。これは華になるな。店長は彼女にレジを任せることにした。
 
 二年後。ここに彼らがくる度に騒ぐのは変わらないが、以前よりは幾分穏やかになったものである。ファイトの熱が充満する店内には用語が飛び交い、時には櫂の真似をしたような台詞を言う小学生もいた。
「俺達のころから比べれば、大分変わったよなー、ここ」
店内は新しいカードやサポートアクセサリーだけではなく、開封済みのカードのばら売りやファイト観戦チケット、サイン入りカードなども取り扱うようになっていた。時にはこの店限定のチケットもあり、非常に高値で取引されているのをネット上で見たことがあった。
「でも、雰囲気だけは変わりませんね」
そう、今も変わらずみんなの表情は明るいものばかりだった。
「こうしててられるのもあとちょっとかー」
「三和さん、どこかに行っちゃうんですか?」
「俺今就活中なんだ。今は面接の結果待ちだけど」
数日前の面接は好感触だったように三和は思っている。試験も自信があったし、臨となったら大学で取った教職免許でも使って塾で働くのもいいと考えていた。
 店のドアが開いた。いらっしゃいませ、と声を掛ければ久しぶり、と返ってきた。
「レン、久しぶりだな。
散歩か、と尋ねれば雀ヶ森レンは笑みを浮かべた。
「うん、今日はオフだから」
五年前、櫂がレンを打ち負かしたことがきっかけなのか、他の要因のせいか、PSYクオリアは、自身の手でファイトを行うと頭痛を伴う後遺症を残してレンの身体から消え去った。それでもカードを愛する心は変わらず、ファイト以外の場面でその知識を活用していた。主に解説・実況という場で。
「君に手紙を持ってきたんだ」
レンが見せたのは珍しい黒い封筒だった。
「想像つくな」
「その想像であってるよ」
三和は封筒を受け取った。中の紙は白いどこにでもありそうなOA用紙の再利用品だった。その四つ折りを開けばボールペンの走り書きが一行。
『今夜八時』
場所も目的もなく、ただ時間だけが示されていた。そう言えば朝のニュース番組で帰国した旨が報道されていた。
「家か」
この流れはまたストレス発散のためのファイト目的だろう。一人じゃ手に余るし、何より複数のクランのデッキを上手く扱う自信がない。それに関してはプロがいるじゃないか、と三和はレンを見た。
「お前も来るよな、というか来い。俺がカード持つから、お前が指示ってことで」
「2対1は卑怯じゃないですか?」
「相手は世界ランクのファイターだぜ?卑怯も何もあるわけないだろ」
「負かしてやりましょうか」
「おう」 
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獅子えり
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大学生
自己紹介:
日本の真ん中あたりの都市に住処有。最近有名になった大学に在学。ドイツ語専攻中。ゲームは日常の栄養剤。小説書くのは妄想を形に(笑)本自体が好きという説明しがたく理解されにくいものを持っている。横文字は間違える。漢字は得意な方。英語は読み聞きはいいが話せない。他は自己紹介からどうぞ。
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