日常/感想/二次創作小説※重要。小説へはカテゴリーの一覧から飛んでください。取扱CPはDRRR:臨静臨/APH:東西&味覚音痴/異説:78中心天気組/黒バス:赤降赤/VGユニット:騎士団航空海軍他。DRRRは情報屋左推奨中。TV小説漫画DVD所有。APHは東西LOVE独語専攻中。漫画全巻CD原作柄所持TV二期迄。異説はもう天気組愛。原作は7のみ。コンピ把握。81012は動画攻略wiki勉強。究極本厨。赤降気味でリバOK。VG擬人化フレイム・サンダー辺りとか。コメント・誤字指摘歓迎します!!転載とかはご遠慮願います。
No.106
2011/06/04 (Sat) 14:57:52
pixiv転載三作目。セフィロス登場。
こんなこともあってもいいんじゃないかなぁ、と妄想した結果の産物です。天気組に傾き始めました。でも一番は雲。
なんかこのスペースでの呼び方がぐちゃぐちゃで申し訳ない。雲雨晴で、兵士獅子夢想で、狼獅子……ティーダは何になるんだ?
06/05追記。幻想と夢想を勘違いしておりました。ややこしいな10親子。
連日の戦いに対しては酷く短い束の間の休息だった。闇の世界の崩れた列柱に腰を下ろしてクラウド、スコール、ティーダの三人は休んでいた。ポーションで治療をしたり、武器の簡単な手入れをしたり、これからの行動についての検討をした。
その中で、クラウドは最近一つ気になることがあった。それはふとした時に起こる。たとえば、剣についたイミテーションの残滓を拭おうとその柄を掴もうとした瞬間、剣が手から滑り落ちた。しかし地面に落とす前に再度掴み直した。
――― 何だ?
その一瞬、全く手に力が入らなかった。これは休憩中だけでなく、戦闘中でも感じた。急に足から力が抜けてその場に崩れてしまったり、耐えれるはずの相手の攻撃に脆くも屈してしまったり、幸い皆戦闘中で上手いこと隠せていた。どれも一瞬のことで、すぐに元に戻るのだが、最近は殊更頻繁であった。早いうちに原因を掴んで、周りに気付かれる前に何とかしておこう。
ぼんやりと思考に耽っていた頭が、ティーダの掛け声をきっかけに引き戻された。
「さて、出発しますか!」
「そうだな」
カオスの軍勢を倒す路に戻ろうと立ち上がった瞬間だった。同時に立ち上がった二人に合わせてクラウドは足を踏み出そうとしたが。
「ッ……」
悲鳴こそ上げなかったが、脚が頭の行動に反し全く動かず、体だけが前に進んでそのまま地面に倒れた。
――― 何だ、これは……
柔らかくもない地面に体を打ち付け、下になった半身が酷く痺れた。ちょ、と焦った声が聞こえた。
「大丈夫っすか?クラウド」
駆け寄ってきたティーダが横に膝をついた。普通ならば大丈夫と嘘でも返すところだが返せなかった。強がって言おうにも問題がありすぎた。口も動かなかったが、そもそも声が出せなかった。次いで脚だけではなく、起き上がろうと肘をついた腕さえ崩れ、また地面に付してしまった。連日の戦いは確かに酷いものだったが、感覚的にこれは疲労によるものではないと思った。原因は何か別にある。そう考えられる思考がある限り、まだ大丈夫なのかもしれないがいつまでもつか。
そして厄介なことに、この身体の状況に覚えのないクラウドではなかった。同じような感覚を、たった一年前に経験しているのだから。
地面に伏せたまま一向に起き上がろうとしないクラウドに、流石に違和感を覚えたスコールも速足で戻った。
「どうした?」
「クラウドが倒れて、全然反応しないんだ」
ティーダは仰向けにしたクラウドの顔の前で手を振る。しかし目が明いているにもかかわらず全く反応がない。
――― 何だと?
スコールも傍に膝をつき、クラウドの顔色を見た。口元に手を当てると、やや浅い呼吸が繰り返されていた。腕を取って脈をみるが異常はなかった。体温も極端な変化はなく、確実な異常が見当たらなかった。次いで顔に目を向けて、スコールは止まった。
――― なんだ、これは
クラウドの目は、どこを見ているのかわからなかった。こちらの、さらにその先を見ているような、その不思議な色だけが異様な光を放っているように見えた。
――― ついさっきまで普通に話していたのに
なぜこのような状態になっているのか全く予想も推論も何も立たなかった。
そこに突然第三者の気配を感じ、スコールとティーダは勢いよく振り返った。仲間の気配でないので、つまりはカオスの側の駒。足音もなく降り立った男の長い銀髪が背に流れた。
「セフィロス……」
「何だ、お前たちか」
何とタイミングの悪いことか。二人はそれぞれの剣を構えた。その後ろで倒れている人間に気付かないセフィロスではない。
「何をしている、クラウド」
「……」
呼びかけるが、何も反応がなかった。端正な顔に少しだけ疑問を滲ませて、セフィロスは刀を構えた。
「まぁいい。まずは貴様らからだ」
「あっ!」
「しまった」
その隙を逃さず、セフィロスはクラウドの身体を攫った。襟首を持ち上げれば、人形のように伸びきった四肢がふらりと揺れた。その様子だけで彼が理解するには十分だった。
「……邪魔だ」
静かにそういうと、セフィロスはクラウドの身体を掴んだまま、片翼の黒い翼を広げて間合いを一気に詰めた。その突然の速度に、状況に追いつけなかった二人はそのまま幾重もの斬撃に巻き込まれた。
酷い痛みが全身を襲い、起き上がるのが億劫になった。衝撃から目が覚めて視界がはっきりした時には、そこにセフィロスの姿はなかった。当然、クラウドの姿も。
「クラウド、……」
「……ッ」
スコールとティーダは、自分の近くに落ちてきた黒い羽を、忌々しげに払った。
セフィロスは何も話さず、無言で進んでいった。
――― なに を する き だ
次々と変わっていくフィールドの景色はいいものではなかった。しかし意識が混濁し始めていたため、認識する前に過ぎ去ってしまう。まるでコマ送りの絵を見ているようだった。
やがてたどり着いたのは、星の体内だった。そこが目的地だったようで、セフィロスはゆっくりと降下した。
「人形はそこに座っていろ」
すると身体が宙に浮いた。正確には、岩壁に投げつけられた。加減されていたためめり込むようなことはなかったが、それでも動かないクラウドの体は背を叩きつけ、人形のように四肢を力なく伸ばして地面に腰を落ち着けた。
「『中毒』といった場合の一般的な症例ぐらい、解らないおまえでもないだろう」
後半は殆ど聞こえていなかったが、『中毒』という言葉を聞いて、クラウドは心中で嗤った。
体内に残っていた魔晄が戦闘の使用で減少し、限界を切ってしまった。セフィロスの言いたいことはこんなところだろう。実際、自分も分かったことだ。魔晄漬けになって中毒を起こしたというのに、今度は不足で倒れるとは、ソルジャーも不便なものだったんだなと思った。そう考えればセフィロスが星の体内に連れてきた理由も理解できた。ライフストリームに満たされたここならば回復が望める。
「皮肉なものだな」
長い刀が顎の下に当てられた。そのまま上を向かされ、やっと焦点の定まった目がセフィロスを捉えた。目の前の英雄は決してそんな状態にはならないだろう。それが少しだけうらやましく思えた。
次第に体の脱力感が消え始めた。試しに指先を動かして見れば、反応が返ってきた。
「たすけて、何がしたいんだ」
口が動いた。それと同時に、刀は退いた。次いで腕も肩も動き、岩壁に預けていた背を起こして、クラウドは召喚した大剣を支えに立ち上がりながら問いかけた。
「別に何も」
特に構えることもせず、セフィロスは近くの黒い鉱物の上にひらりと飛び移った。
「強いていえば、そんな状態のおまえは面白くない」
一瞬空気が揺らぎ、二人は上を見上げた。
「どうやら仲間が来たようだな」
そう言ってセフィロスが消えたのと入れ違いに、スコールとティーダが上空から飛び降りてきた。
「「クラウド!」」
二人は降り立ったと同時に前後左右あらゆるところに目を向けた。
「ちっ、逃げられたか」
「もう平気なのか?」
表情少ない中に心配の色を含ませたスコールが尋ねた。クラウドは地面につきたてていた大剣を背に回してみせた。
「あぁ、心配をかけてすまなかった」
身体の違和感はすべて消え去っていた。セフィロスに作ってしまった借りをどう返すべきか、今度はそちらを考えることになってしまったが。
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獅子えり
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大学生
自己紹介:
日本の真ん中あたりの都市に住処有。最近有名になった大学に在学。ドイツ語専攻中。ゲームは日常の栄養剤。小説書くのは妄想を形に(笑)本自体が好きという説明しがたく理解されにくいものを持っている。横文字は間違える。漢字は得意な方。英語は読み聞きはいいが話せない。他は自己紹介からどうぞ。
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