なんとなく、学ヘタ。
(英・米・独・南伊・普・西・仏登場)
朝、八時三十分少し前。
生徒会長アーサー=カークランドは来るべき敵に備え、アルフレッド=F=ジョーンズ、ロヴィーノ=ヴァルガス、ルートヴィッヒ=バイルシュミットと共に門の前に防衛線を敷いていた。
「今日こそその首根っこ掴んで、悪魔召還の生贄にしてやらぁ・・・」
「いや、遅刻を注意するのが目的だろう」
あまりに非現実的な、いや実現させてしまいそうな生徒会長を見て、ルートヴィッヒは口を挟まずに入られなかった。
「別にいいじゃねーか」
とロヴィーノ。
「いいのか?帰ってこなくなるぞ」
「そんなんであいつが死ぬかってんだ。というか、気安く話しかけんなジャガイモ野郎!」
生贄なのにその確証はどこから来るのやら。まぁ、たとえ生贄になっても化けて出そうな連中ばかりだなと妙な納得をしてしまうルートヴィッヒ。
「というか、何でオレがここに呼ばれてるのさ」
包み隠さず大口を開けて欠伸をするアルフレッド。
「昨日は菊から借りたゲームで徹夜したんだよ」
「それは身体に悪いぞ」
「いやー、本当菊の持ってるゲームはやりこみ甲斐があってさー」
聞く耳持たずである。
「暴れるかって聞いて乗ってきたのはお前だろ」
とアーサーが言う。
「えー、そうだっけなー?」
「おいっ!」
「はぁ・・・」
ため息しか出ない。
すると、遠くから走ってくる三人組が見えた。ギルベルト=バイルシュミット、フランシス=ボヌフォア、アントーニョ=フェルナンデス=カリエド。
「おい、来たぞ」
そうルードヴィッヒが声をかけるも、アーサーとアルフレッドはその後罵詈雑言を飛ばしあい始めたのか全く反応しない。一方ロヴィーノは興味がなくなったのかさっさと校舎に向かっているではないか。
「おい」
「だから君は!」
「そういうお前だって!」
「・・・・・・」
そう言っている間に、三人組は門の前に来てしまった。
「よぉルッツ!早ぇーじゃねーか!」
とギルベルト。
「あ、待ってぇなロマーノぉー!」
とアントーニョ。
「お、今日も痴話喧嘩真っ最中ってか?」
じゃあなー、と付け足してフランシス。
彼らは何の苦労もなくあっさりと、生徒会長の防衛線を越えていった。
それにさえ気づかない二人。
同時に、チャイムがなった。
「おい」
「「何だ!」」
「越えていったのだが」
校舎のほうを指差すルートヴィッヒ。もう三人組の影はなかった。
「ああっ!くそっ!」
「全く君は、本当に生徒会長かい?」
「これはお前のせいだろーが!」
「君が乗ってきたんじゃないか!」
「・・・・・・」
もはや収拾をつける必要性を感じなくなり、ルートヴィッヒも校門に背を向け、校舎の方へと歩き始めた。
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