日常/感想/二次創作小説※重要。小説へはカテゴリーの一覧から飛んでください。取扱CPはDRRR:臨静臨/APH:東西&味覚音痴/異説:78中心天気組/黒バス:赤降赤/VGユニット:騎士団航空海軍他。DRRRは情報屋左推奨中。TV小説漫画DVD所有。APHは東西LOVE独語専攻中。漫画全巻CD原作柄所持TV二期迄。異説はもう天気組愛。原作は7のみ。コンピ把握。81012は動画攻略wiki勉強。究極本厨。赤降気味でリバOK。VG擬人化フレイム・サンダー辺りとか。コメント・誤字指摘歓迎します!!転載とかはご遠慮願います。
No.188
2012/08/17 (Fri) 16:41:38
≪設定≫
軽く人物の職業や状況をご紹介。
赤司征十郎
帝光病院の新任外科医。
次世代の先駆けとして注目を集めている。
降旗光樹
地方公務員。基本事務作業。
ある事情で話せない。
火神大我
帝光病院の精神科医。
降旗とは高校が同じで友人。
黒子テツヤ
帝光病院の看護師。
影の助っ人、第三の手などといわれている。
緑間真太郎
帝光病院の整形外科医。
診察室や手術室に妙なものがあり意外と安らぐと人気。
以上は確定している分だけです。他の方々は決まり次第出していきます。
どうして火神が精神科医になったかは、降旗との関係上です。
というか、成り行きです。最初は入院患者だったけれども医師にしました。
≪冒頭≫
手入れの行き届いた中庭は、国立帝光病院の人気のスポットだった。四季折々に咲く花達は患者だけでなく勤務する医師達の心も癒している。
程よく枝を広げた木の下に置かれたベンチに腰をかけているのは、新任外科医の赤司征十郎だった。付属大学に在学中から頭角を現しており、国家資格取得の後、すぐに配属された。ベテランの医師に引けを取らない正確かつ精密な技能は国内に留まらず、次世代の先駆けとして注目されている。
しかし赤司にとって、そのような評価は利用できるものに過ぎない。本当に欲しいものは肩書きや名声ではなく、もっと別の。詰まっていた感情を離散させるように、深く息をついた。
そこで不意に、視界に赤いPDAが入ってきた。
『大丈夫ですか?』
白く光る画面には、無機質なデジタルの文字が並んでいた。持ち主を見ようと顔を上げると、逆光のなか、微笑みを浮かべた青年が立っていた。
耳が聞こえないのだろうと思い、白衣の胸ポケットに刺していた筆記具とメモを取り出そうとしたが、書き出す前に再度PDAを見せられた。そこには先程とは別の言葉が追加されていた。
『聞こえますから、大丈夫です』
相変わらず、表情は穏やかだった。文面を見ればつまり、話せないようだ。
「喉の異常か?」
そう尋ねれば、青年は首を横に振った。そしてまた文字を入力していく。
『精神的なものだそうです』
もう立ち直ったつもりなんですが(汗)、とも書かれていた。その手の症例を学んでいないわけではないが、専門外だった。下手な助言はできない。迷ってここにたどり着いた可能性もある。
赤司は立ち上がると、青年は勢いよく左右に首を振って急いで入力すると、PDAの画面を指した。
『大丈夫です!!今日は友達に会いに来ただけなので』
会いに来たという事は、見舞いだろうか。外科なら案内できるがというと、友人は患者ではなく医者、しかも精神科医なのだという。彼ぐらいの年齢で精神科医というと、最近赴任してきた、自分とはまた違う赤い髪を持った大柄な男を思い出した。
『俺、行きますね』
医者の名前を言う前に、青年は軽く頭を下げて足早に去っていった。
「火神の患者か」
最初は、こんな認識だった。
≪認知≫
昼が過ぎ、院内には見舞いに来た人々が増え始めていた。静かな待合室も、話すことが好きな高齢者達の話しでざわついていた。
建前上の休憩時間に入った赤司は巡回していた。病院内であっても小さな事故は起こる。すぐに対応できるように階段付近や曲がり角では特に往来を注視して行く。
向かいから足早にやって来た医師が、赤司を呼び止めた。
「赤司!」
「何だ、火神」
院内は静かにすべきだと目で言えば、火神は一度背筋をただした。しかしすぐにその調子は戻った。
「降旗、友達なんだけどさ、そいつ見なかったか?」
「俺は君の交友関係までは把握していない」
そのような名前を聞いた事は無かった。自分の患者の中にもその姓をもつものはいない。
赤司の返事に火神は驚いた表情を見せた。
「は?会っただろ、お前。茶髪で……あー、『喋れない』奴」
最後に挙げられた特徴はあまりにも具体的過ぎた。確かに赤司は降旗と出会っていた。だが、名前を聞いていなかった。そうか、彼は降旗というのか。その名前を記憶にとどめた。
あの後、赤司が降旗を見かける事は無かった。精神科と外科は距離があるため、本来すれ違うことは滅多にないのだ。
火神は暫く唸ると、あの馬鹿、と呟いて溜息をついた。
「あいつ忘れ物していったんだよ」
そう言って差し出したのは小さな赤いPDA。会ったときに見せられたものであった。こんな大事なものを。
「よく忘れるな」
「少し抜けてっからな…」
失笑する火神のその言葉に、お前が言うか、と赤司は思った。しかしここで口に出せばまた面倒なことになるため、心のうちに留めておいた。
≪再会≫
同日の日暮れ。外来はすべて締め切られ、患者の滞在する病棟は静かになっていた。
緊急外来の治療を終えた赤司は仮眠室へと足を進めていた。思った以上の重傷で、処置は四時間に渡った。目頭を揉みながら、処置に関する反省をした。手は尽くした、抜かりはない。自然と出てきた言葉に、何処かの整形外科医と被るな、と一人ごちた。
その途中、今朝方に見た青年がしきりに辺りを見回していた。歩いてきた一人の看護師が気づいて声をかけたが、青年は言葉を返さず、何かを書く仕草を見せた。そこで赤司は彼が降旗であることに気づいた。ジェスチャーの意図に気づいた看護師は胸ポケットに入れていたボールペンとメモ帳を渡した。どうやら書くもの、書かれるもののどちらもを持ってくるのを忘れてしまっていたようだった。
「降旗君、で合ってる?」
そう声をかけると、二人分の視線が赤司に向いた。
やがて、茶髪の青年は一つ頷いた。それを確認して、赤司は看護師の方を見た。
「カウンターのところに赤いPDAがあっただろう?」
そう指示を出せば、降旗は大きく頷いた。
こちらですか、と差し出されたPDAを受け取ると、降旗は深く頭を下げた。
「火神から聞いていたからね」
『え?火神から?』
「彼とは同僚なんだ」
『そうだったんですか』
そう書いた後、口が動いていた。読唇術は心得ていないが、何かしら火神に対して文句を並べているのだろうと勝手に推測した。
『PDAありがとうございました。赤司先生』
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獅子えり
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大学生
自己紹介:
日本の真ん中あたりの都市に住処有。最近有名になった大学に在学。ドイツ語専攻中。ゲームは日常の栄養剤。小説書くのは妄想を形に(笑)本自体が好きという説明しがたく理解されにくいものを持っている。横文字は間違える。漢字は得意な方。英語は読み聞きはいいが話せない。他は自己紹介からどうぞ。
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