日常/感想/二次創作小説※重要。小説へはカテゴリーの一覧から飛んでください。取扱CPはDRRR:臨静臨/APH:東西&味覚音痴/異説:78中心天気組/黒バス:赤降赤/VGユニット:騎士団航空海軍他。DRRRは情報屋左推奨中。TV小説漫画DVD所有。APHは東西LOVE独語専攻中。漫画全巻CD原作柄所持TV二期迄。異説はもう天気組愛。原作は7のみ。コンピ把握。81012は動画攻略wiki勉強。究極本厨。赤降気味でリバOK。VG擬人化フレイム・サンダー辺りとか。コメント・誤字指摘歓迎します!!転載とかはご遠慮願います。
No.181
2012/06/27 (Wed) 17:32:11
高校生の日常ってこうかなと思い出しながら書いてみた平坦SS
定規はすみませんネタです
櫂君三和くんの高校生活をkwsk教えて欲しいです…
定規はすみませんネタです
櫂君三和くんの高校生活をkwsk教えて欲しいです…
六時間目の数学の授業がようやく終わった。しかしながら三和は意識を夢の世界に飛ばしており、開いていたノートはたった一ページと少ししか埋められていない。あとは力ない薄い線が蛇行しているだけの解読不能なものばかり。黒板を見れば、二ページ先の、次章の二次関数に進んでいた。X軸Y軸上を走る線は綺麗な左右対称の曲線を描いていた。
これは後で見直しが必要だ。教科書やノートを鞄に詰めながら三和は欠伸した。見つからなかっただけましだよな、そう考えながら次の行動を考えていた。
一、家に直帰する。数学の見直しは必須だが面白くない。もっと勉強に楽しさを見いだせたら面白いのかもしれない。だがまだ三和は見いだせていなかった。
二、櫂に会いに行く。きっとまたカードキャピタルに行くに違いない。と言っても専ら自分は見ているだけで、同じく観戦組の後輩、井崎と話すに終わるだろう。
数学という学問は、基礎がおろそかではこの先ゆっくりすることができない。直帰という結論をだしたところで、数学教員と担任が入れ違いに入ってきた。そして親に渡せという伝言の下配られたのは、授業参観に関する案内だった。高校生にもなってさすがに親が教室に入って授業の様子を見るような環境はない。しかし廊下からこっそり見られるのもそれはそれで恥ずかしいものがある。それに地元の高校だから、中学の、小学校の同級生も数多くいるのですぐに誰の親かがばれる。
――― まぁ、俺のところも来るわけないけど。
姉は社会人で両親は共働きであった。
学級委員の号令でクラス全員で起立してさようならと言えばそれで解散。机を後ろに下げるということだけやって、掃除当番ではない三和はクラスメイトと話しながら教室を出ようとした。
「お前数学の時間寝てただろ」
「あぁ、やっぱばれた?」
「頬杖ついてたし、先生にはばれてないかもな」
「だといいけどなぁ」
「あの先生、煩いって噂だしな」
そんな雑談とともに後ろ手に教室のドアを開けようとしたところ、先にドアが開いた。用意の遅れた三和はそのまま開けた人物にぶつかってしまった。
「っと、ごめん」
謝りついでに相手の顔を見れば、見慣れた顔した生徒が立っていた。
「櫂?」
いつも自分が呼びに行く側であるはずなのに。三和は首を傾げた。
後ろにいたクラスメイト達は先行くから、じゃあな、と二人の横を抜けて下駄箱へと向かっていってしまった。まだ苦手な奴は苦手なままの様だ。
「珍しいな。何かあった?」
「行くぞ」
明確な答え無しに櫂は短く言うと、そのまま階段の方に向かって歩き始めた。
「ちょっと待てって」
今日は帰る気でいたんだ、そう伝えようと三和はその後をすぐに追った。
「俺、今日は家に直帰するつもりだから、」
そう言えば、無言で櫂は三和の方を見た。明らかに何故と、言外に問いかけていた。
「数学の復習だ、復習」
「そんなもの」
櫂は鞄を開け、ノートを一冊三和の方へ差し出した。
「どうせお前のことだから寝たんだろう」
「……お見通しってか?」
「大体、お前の口から復習なんて言葉が出てくる時点でおかしい」
「ひでぇなそれ」
結局いつものように櫂の後ろをついて行くことになり、カードキャピタルに足を運んでしまった。時間的に小学校や中学生の方が先に学校が終わるので、アイチやカムイをはじめいつもの面子が見事にそろっていた。アイチに至っては塾の用意を持っての来店であった。
店に着いてから三和がすることと言えば、櫂と話すかファイトの解説をするぐらいなもので、しかし今日は別の目的を優先すべきだ。机も椅子もある環境は、耀とは違うが非常にありがたい。プレイマットを傍らに折りたたんで避け、鞄の中から筆箱とノート二冊を引っ張り出して、席に着く。櫂は鞄だけ置いて、来店早々に勝負を持ち込んできた森川の向かいに座った。
何度目かのスタンドアップが耳に入ってきたのは、集中力が切れたからだろう。あと少し。三和は一度背筋を伸ばした。すると、横にミサキが立っていた。片手には読み終わったらしい本。
「勉強するなら学校とか図書館行きなよ」
「いや、これすぐに返さなきゃなんないから、見逃してくれない?」
そう言って三和はノートの表紙を見せた。そこには細い油性ペンで「数学Ⅰ 櫂トシキ」と書いてあった。そのノートの持ち主はというと、相も変わらず挑んできた森川との三戦目のファイトに入っていた。
「しかも今日やったところだし、櫂も必要だろうからさ」
それにあと数行で終わるから。三和は視線をノートに落とし、定規とシャープペンシルを手に式と図を描く作業を始めた。
幸い混雑が過ぎ去った時間帯のため、席には十分な空きがあった。ミサキは三和のノートを見た。
「あんた、律儀だね」
「小学校からの癖。先生が数学の時間は短い定規を常に持ってろなんて言って配ったもんだから」
三和は手に持っていた、もはや目盛が擦れてしまっている定規を軽く振った。
すると、櫂が戻ってきた。向かいの席に座り、デッキをケースに入れて更に鞄に詰めた。
「終わったか?」
「まぁあとちょっとだけど、ここまであれば大丈夫」
サンキュ、櫂。三和はノートを閉じて櫂に渡した。ふと彼の視線が手元にいった。
「お前、まだ持っていたのか」
「そう言うお前はどうしたんだよ?」
「折れたから捨てた」
聞けば、転校先で床に落とし、その上をたまたまふざけて走っていたクラスメイトに踏まれてしまったらしい。薄いプラスチック製のそれは見事に半分に割れてしまった。
「まぁ、そんなもんだよな」
この定規薄いし。そう言って軽く曲げると、やけに乾いた音が鳴った。
「あ」
定規が見事に真っ二つになっていた。劣化もあるのだろうが、まさかこんなにも容易く折れるものとは知らなかった。とりあえず帰る手前、三和は筆箱に戻し、鞄を持った。
「捨てないの?」
「確かにプラスチックだけどな」
部屋の片づけは得意な方であるが、どうも定規はここでは捨てる気にならなかった。
見れば、櫂はすでに自動ドアを抜けようとしていた。
「じゃ、また来るわ」
鞄を肩に担ぎ、三和は速足でその後を追った。
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獅子えり
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大学生
自己紹介:
日本の真ん中あたりの都市に住処有。最近有名になった大学に在学。ドイツ語専攻中。ゲームは日常の栄養剤。小説書くのは妄想を形に(笑)本自体が好きという説明しがたく理解されにくいものを持っている。横文字は間違える。漢字は得意な方。英語は読み聞きはいいが話せない。他は自己紹介からどうぞ。
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