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日常/感想/二次創作小説※重要。小説へはカテゴリーの一覧から飛んでください。取扱CPはDRRR:臨静臨/APH:東西&味覚音痴/異説:78中心天気組/黒バス:赤降赤/VGユニット:騎士団航空海軍他。DRRRは情報屋左推奨中。TV小説漫画DVD所有。APHは東西LOVE独語専攻中。漫画全巻CD原作柄所持TV二期迄。異説はもう天気組愛。原作は7のみ。コンピ把握。81012は動画攻略wiki勉強。究極本厨。赤降気味でリバOK。VG擬人化フレイム・サンダー辺りとか。コメント・誤字指摘歓迎します!!転載とかはご遠慮願います。
No.
2024/12/04 (Wed) 17:39:32

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No.174
2012/03/02 (Fri) 14:42:46

ちょっと間が入りました。悪い癖です。
スコールとデンゼルをちょっと一緒にしてみたかった…

 この世界に来てから、スコールは青空をエッジの中で見たことがなかった。ここの空はいつも曇っていて薄暗かった。毎日灰色の世界では気分も滅入ってしまう。実際、スコールもそんな気分になりかけていた。
 ―――ウィンヒルは、綺麗な青空が広がっていたな
そんな郷愁を感じるのも、もしかしたらあと二、三日とクラウドに宣告されたからかもしれない。どこかで帰れることを期待している自分がいる。反面、残りたいという気持ちもないわけではなかった。文明利器に差はあれど似通う点は多く、ここでは班長とか英雄といった肩書がない。ただの「スコール・レオンハート」個人の世界だった。
 こちらに来てから、モンスターは数えられるほどしか倒していない。クラウドが先にすべて斬ってしまうからだ。バイクの後ろに乗っていても、片手に大剣を持ったクラウドの運転に振り落とされないようにするのが精いっぱいだった。だからこうして、なまってしまわないよう人のない場所で瓦礫を相手にガンブレードを振り回していた。
 壊した瓦礫が二桁の半分を行く手前で、スコールは手を止めた。そして辛うじて残っていた階段に腰を掛け溜息を吐いた。
 ――― 俺は、誰によって、何のためにこの世界に召喚されたんだ?
それが疑問で鳴らなかった。自分は一体何を求められたのか。一人膝に頬杖をついて考えていると、瓦礫の影が動いた。別段殺気も何も感じない、ただの人間の気配。
「スコール」
出てきたのはデンゼルだった。片手には細い、そこらで見つけたような1メートルほどの細い棒が握られていた。デンゼルはスコールの前に立つと、棒を持った方の拳をスコールに突き出した。
「何だ?」
「戦い方、教えてよ」
「戦い方?」
尋ね返せば、大きく頷いた。
「おれ、ティファやマリンを守れるくらい、強くなりたいんだ」
「それは、大変な目標だな」
マリンはともかくティファを守りたいというのは無理ではないか。以前酒によって彼女に絡んだ男を見た。十中八九不健全な思考を持っての行動なのは見て取れたが、華麗な一本背負いの前にひれ伏していた。あれにはスコールも驚いた。ぜひ体術の教師としてガーデンに迎えたい。ゼルも喜ぶのではないか。そう思わせるほど鮮やかな手つきだった。
 しかし彼が目標を達成するまで自分がいることは不可能であった。それまでにできることがあるとすれば、基本の所作と構え方ぐらいだろう。なぜ、クラウドに言わないんだ。そう問いかけることもできたが、きっと教えはしないだろう。あくまで守る対象としか見ていないだろうと、スコールはクラウドの彼らを見る目を思い出した。
「少しだけなら」
スコールは立ち上がると、ガンブレードを階段に立てかけたままそこを離れた。
 
 
 
 昼食の用意ができたよ。そうティファに言われてクラウドはデンゼルを探しに出た。そしてスコールの姿もない。彼なら何があっても無事に帰ってきそうだが、デンゼルはそうはいかない。戦い方を知らない子供なのだ。
 すると、デンゼルの声はセブンスヘブンから少し離れた瓦礫置き場から聞こえた。そこは溜まり場としても知られている場所。あんなところに行って何があるというのか。そして同時に聞こえてきたのは金属同士のぶつかる音。クラウドの足は自然と速くなった。
 片手を剣の握り手に当てて、瓦礫置き場に向かって走る。すると、こちらに向かって走ってくるデンゼルの姿が認められた。
「クラウド!」
デンゼルはそのままクラウドの懐に飛び込んだ。
「デンゼル、どうした?」
「スコールが街の奴と」
そこに、銃声が響いた。
「今の・・・」
「大丈夫だ。先に戻っていろ」
今の銃声は恐らく、と状況の察しがついた。デンゼルの肩を押して戻ることを促し、クラウドは足を進めた。
 
 
 
 スコールは同様に瓦礫の中から手ごろなパイプを手に取り、指導にあたっていた。来た時よりも若干視界は暗くなっていたが、さして気にしなかった。前方に構えた時の持ち方から肩の位置、脚の開き方を一から教えるのは初めてだった。そこから、剣の振り下ろし方、横への引き方を教えた。
「おれ、クラウドみたいになりたい」
最初にこの言葉を聞いておいて正解だった。スコールの構えとクラウドの構えは大きく異なる。常に剣を両手で扱う動作は教科書で学んだものと、彼の実践の観察を参考にした。もっとも、デンゼルの場合体格がまだ小さいため、どんな剣も両手で扱ったほうが威力が大きい。それも見越したうえでの指導だった。
「対人なら剣でなくとも、十分闘える」
スコールの手は、顔の傷に伸びていた。
「それ、斬られたのか?」
デンゼルはパイプを振る手を止めて尋ねた。
「あぁ、俺も斬ったがな」
あのガンブレードで、そう言おうと思って階段の方を見ると、見知らぬ男たちが集まっていた。中心と言える男の手に、ガンブレード・ライオンハートがあった。
「あんた、いいもん持ってるな」
そう言うと、男はガンブレードを肩に担いだ。ハイぺリオンを持つあの男のように。顔に傷はないが、尊大な雰囲気が過去の彼に似ていた。
 知れず、スコールの手には力が入っていた。主に、勝手にガンブレードに触れられたことが原因で。スコールは冷静を努めた。
「デンゼル」
自分の代わりのように怒りをあらわにするデンゼルの肩を掴み、自分の後ろに下がらせた。逃げろ、といって大人しくは行かないだろう。
「クラウドを呼んできてくれ」
そう言えば一つ大きく頷いて、デンゼルは走って行った。その後を追おうとした男に、スコールは手に持っていたパイプを投げつけた。頭に叩き込まれ、追いかけようとした男は鈍い声を上げてその場に伏せた。
「一人で相手をする気か?」
「お前たちなど、風紀委員やSeeDに比べたら大したことはない」
素手の格闘は得意ではない。また下手に武器を持てばガンブレードの癖が出るかもしれない。他に武器がないためやむを得なかった。とにかくまず、ライオンハートを取り返したい。そう思い、スコールは真っ直ぐ、剣を持つ男の方へ走った。こちらが動けば相手は阻止しようと動く。進む足を止めず、スコールは向かってくる男たちの拳を流し、蹴りを躱した。所詮は少し腕に自信のある集まりに変わりはなかった。中には経験者もいるようだったが、こちらは兵として現役であり、格闘を主とする相手と何度も組み手を行っている。彼に比べれば、彼らの動きは稚拙だった。
 相手をしている隙を狙ったつもりか、ガンブレードを持った男が切っ先を向けて突き進んできた。スコールは胸倉を掴んでいた手を離して腹に一撃入れて蹴り飛ばすと、その突きをしゃがむことで回避し、突っ込んできた男の足を払った。この男は剣の戦いを知らない。そう確信せざるを得なかった。スコールはそのまま扱けた男に近づきガンブレードを掴もうとしたが、剣先を顔に向けられた。
 男は咄嗟に、付属していた引き金を引いた。
 銃声が響き、喧騒が静まり返った。
 青褪めたのは、男の方だった。
「何だよ、これ……銃じゃないのかよ……」
「ガンブレードの銃部分は対人用じゃない」
スコールは男の手からガンブレードを抜き取った。男の手は反動で筋肉が痙攣しており、力を入れても全く動かすことができなかった。振動を受けた刃先がスコールの米神を裂き、頬へと血が伝った。
 先に付着した自分の血を振って払い、スコールはガンブレードを肩に担いだ。
「どこからでもかかってこい。相手をしてやる」
丁度体を動かしたいところだ。周りを囲む男たちを睨めば、先ほどの銃声と主格の男が動かないことによって、彼らは足早に散って行った。足下にいた男も、その後を追うように走って行った。
「スコール」
タイミングを見計らったように、事実その通りなのだが、クラウドが瓦礫の影から姿を現した。血が米神から頬を伝う感触が気持ち悪く、スコールは傷口に触れないように拭った。
「米神、切ったのか」
「振動で当たっただけだ」
そうは言っても、出血はまだ止まっておらず。顎から落ちた血が服を汚していた。クラウドはそのままスコールに近づき、傷口の様子を見た。いくら当たっただけとはいえ、一歩間違えれば骨肉をすべて絶つような振動をガンブレードは起こす。確かに骨までは入っていないが、第一層は完全に裂けていた。
「デンゼルは?」
「先に返した。このあたりはああいう奴の溜まり場になっているんだ」
普段はデンゼルも近づかないんだが。それを聞いてスコールは少しだけ反省した。自分がここに来なければ、こんなことにはならなかっただろう。
「とりあえず、戻ろう」
クラウドはスコールの腕を取って、来た道を歩き始めた。 
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獅子えり
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大学生
自己紹介:
日本の真ん中あたりの都市に住処有。最近有名になった大学に在学。ドイツ語専攻中。ゲームは日常の栄養剤。小説書くのは妄想を形に(笑)本自体が好きという説明しがたく理解されにくいものを持っている。横文字は間違える。漢字は得意な方。英語は読み聞きはいいが話せない。他は自己紹介からどうぞ。
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